7月1日は、一年の真ん中にあたる。
明日からは今年も後半に入るわけだ。 6月晦日にいただく歳時菓子「水無月」は 二つに切り分けた一方を無事に過ごせた半年、もう片方をこれからの半年に見立てて、 平穏に過ごせるよう願いを込めるという。 半年間の罪や汚れを祓い、後半の無病息災を祈る「夏越の祓」の行事に因む。 ![]() 葛製外郎に厄除けの小豆をのせた素朴なお菓子は この時期よく利用する沖知江子さんのガラスのあじさい皿にのせて ![]() そして、今日7月1日、金沢では「氷室饅頭」を食べる。 旧暦6月1日に、加賀藩から徳川幕府に氷室の雪氷が献上され、 その雪氷が無事届けられる様、神社に饅頭を供え祈願したことによる。 氷室饅頭も、夏を越す体力を養い無病息災を願って食べる。 京都の歳時菓子「水無月」は、東京でも手に入るようになったが、 金沢の「氷室饅頭」は未だ手に入らない。 四季折々の上品な形と色合いの生菓子を抹茶といただくのも楽しいが、 季節に応じた歳時菓子も生活に根づいた美味しさがある。 ■
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by sawa_keura
| 2015-07-01 12:20
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3日目は11時から桂離宮拝観。
桂離宮は、後陽成天皇の弟・八条宮初代智仁親王により宮家の別荘として 1615年頃に造営がはじまり、数年の間に桂山荘が完成した。 親王が没してから後10年余り、山荘は荒廃したが、 2代智忠親王が加賀藩主前田利常の娘富姫と結婚したことにより、 財政的な援助を受け、山荘の復興、増築が行われた。 1662年頃までに、中書院、月波楼、松琴亭、賞花亭などが新増築され、 池や庭園にも手が加えられ、今日みられるような姿に整えられた。 ![]() 桂離宮の総面積は付属地も含め約6万9千㎡余。 池を中心に大小の中島、土橋、石橋、板橋や茶室が巧みに配され、 木々の緑と水が心地よく、どこから見ても美しい。 ![]() ![]() ![]() 松琴亭 (金沢成巽閣との共通点が見られる) ![]() ![]() 園林堂 (持仏堂) ![]() ![]() 行、真の石畳 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 静かな庭内で聞こえるのは鋏の音、松の木の上で庭師が腕をふるっていた。 ![]() ![]() 遅い昼食後は、錦小路外れで青物問屋だった伊藤若冲の生家跡を通り ![]() 初公開という、建仁寺塔頭「霊源院」の甘茶の庭「甘露庭」へ。 ![]() アマチャとは、ユキノシタ科の落葉低木ヤマアジサイの変種、 この葉を9月に摘んで干し、発酵させ、揉んで乾燥させて作るのが甘茶。 苦い葉が発酵過程で甘くなるのだそう。 甘茶は、「花まつり」で仏像に注ぐ物と思っていたが、甘味や薬としても使われるそうだ。 ■
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by sawa_keura
| 2015-06-14 12:11
| 旅する
5月21日、朝の出足が遅い我々にしては早々とホテルを出て徒歩西本願寺に向かう。
「祝賀能」について事前にお寺から得た情報によると、9時から整理券配布、 11時半集合、整理券順に入場、12時半開始。 ![]() ![]() 広い境内の左側に立て札が立って準備が整っている。 一体どのくらいの人が集まるのだろうか? 9時受付けが始まり、整理券、観能券、茶席券を入手 ![]() 滴翆園の中にある京の三名閣の一つ「飛雲閣」1階の広間でお茶をいただく。 降誕祭茶会の時のみ中に入れるとのこと。 ![]() ![]() ![]() 飛雲閣は、3層からなる楼閣建築、変化に富んだ外観が美しい。 2階歌仙の間に描かれた三十六歌仙(今は三十四)の像が外からも華やかだ。 集合時間までの間に、国宝「唐門」を見る。 ![]() ![]() 北小路通にある「唐門」は書院(対面所)への正門、 檜皮葺、唐破風の四脚門建築。中国の「許由と張良」の故事を題材とした 総漆塗りの極彩色彫刻と鍍金金具で装飾されている。 創建は諸説あるが、慶長期以降と推定されている。 ![]() ![]() 「日暮門」と言われるだけあって、彫刻一つ一つ見飽きることがないが、 お寺の門にしては余りにも華麗で、伏見城からの移築説にもうなずける。 12時、整理券番号順に「虎渓の庭」を通って、書院対面所へ。 203畳敷きの書院には国宝の北能舞台(江戸時代初期)と 現存する能舞台では日本最大の重文南舞台がある。 ![]() 本願寺には二つの常設能舞台のほかにも、白書院三の間・菊の間・対面所下段に 畳をあげると舞台になる室内能舞台も設けられている。 ![]() ![]() 南能舞台で降誕会祝賀能が催されるようになったのは1896年から、 以来、観世流の片山家が中心となって毎年演じられている。 今年の演目は 能 「菊慈童」 狂言 「附子」 仕舞 能 「羽衣」 ![]() 建物の外に造られている由緒ある能舞台で演じられるお能は 吹く風や移り変わる光と共に空気を感じながら楽しむことができ、特別であった。 (飛雲閣は撮影禁止のため画像借用) ■
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by sawa_keura
| 2015-06-09 15:02
| 旅する
例年3月から4月にかけて友人と訪れる京都、今年は5月21日に的が絞られた。
西本願寺の宗祖親鸞聖人降誕祭の祝賀能が、南能舞台で奉納されるのだ。 3年前に西本願寺を拝観した折に祝賀能の話を聞き、 由緒ある能舞台での祝賀能を観たいと、今回の旅行が実現した。 前日京都入り、駅で目にしたチラシに誘われて 「静寂の中 庭園の青もみじ 苔の庭 宝厳院」へ ![]() 宝厳院は、京都嵐山の臨済宗大本山天龍時塔頭 「獅子吼の庭」は、室町時代 中国に2度渡った禅僧 策彦周良作の借景式枯山水庭園 入り口に連なる宝厳院垣(蓑笠垣)が美しい ![]() ![]() 苦海 三尊石 ![]() 葉の形や大きさの違うモミジの木々の下には手入れの行き届いた青々とした苔 ![]() ![]() ![]() 豊丸垣 ![]() 「獅子吼」とは「仏が説法をする」との意味だそうだ。 庭を散策しながら、自然から人生の真理、正道を感じ取るのだろう。 ![]() ![]() ![]() 秋の紅葉の季節はさぞかし華やかだろうが、 新緑に包まれる青もみじの今が清々しくて、私は好きだ。 門前には、表情豊かな「嵐山羅漢」が並んでいる。 阪神淡路大震災の犠牲者を思い、各地の人が寄進したものだそうだ。 ![]() ![]() 川岸に出て、渡月橋を遠くに眺めつつ京都の空気を感じる。 嵐山駅付近の雑踏とは無縁の静けさだ。 ![]() ■
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by sawa_keura
| 2015-05-31 17:39
| 旅する
立夏はしだいに夏めいてくる頃、新暦では5月5日頃から。
「蛙始めて鳴く」 「蚯蚓(みみず)出ずる」 「竹笋(たけのこ)生ず」と 春から夏への自然の営みを表わす。 ![]() 今年は、産地から頂き物の立派なタケノコでご飯、サラダ、中華などを、、 旅土産の淡路島の新玉ねぎや鳴門金時を味わう楽しみを得た。 ![]() 淡路島産のたまねぎは、アミノ酸が豊富だとのことだが、 新玉ねぎは、甘くてさらりとし嫌味がなく、歯ごたえも良くていくらでも食べられる。 ![]() ![]() 醤油とかつお節、しそ、のり、あるいはサラダ風にオリーブ油と 色々試して、すっかり淡路島産たまねぎのファンになった。 先日はデパートの山形県展で、新鮮なコゴミと行者ニンニクを手に入れ 行者ニンニクは、炒め物と醤油漬けで独特の香りを、 ![]() コゴミは、くるくる丸まった渦巻状の若芽を愛でつつおひたしにして、 ちょっとぬめりのある食感を楽しんだ。 ![]() ■
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by sawa_keura
| 2015-05-17 14:44
| 食べる
クアラルンプールから車で約2時間南、マラッカ海峡に面した世界遺産マラッカは
日本にもなじみが深い。 1542年の鉄砲伝来、1549年のフランシスコ・ザビエル来日もマラッカからだ。 ![]() マラッカ海峡は6世紀ごろから東西海上交易の主要ルートとなり、 14世紀末インドネシア スマトラ島から渡ってきた一族によりマラッカ王国が始まる。 マラッカの木 ![]() マレーシアのお札 マラッカの歴史を表わす ![]() ![]() 1511年ポルトガルのマラッカ占領後、1641年オランダ、1795年イギリスと代わり、 1832年よりイギリス「海峡植民地」となる。 セント・ポールの丘から港を望む ![]() マラッカを占領したポルトガルは、当時の海岸沿いにサンチャゴ砦を築き 盛り土をして丘を造り、要塞とした。 ![]() セント・ポール教会跡 (1521年) 壁の厚さが要塞の役目を表わす ザビエルはここから日本や中国布教に出、死後遺体が9カ月間安置された ![]() ![]() ![]() オランダ広場 木造プロテスタント教会 (1753年) 占領100周年記念として建立 スタダイス (役場) ![]() ![]() マラッカ川 倉庫や商家だった建物が並ぶ ![]() 青雲亭寺院 マレーシア最古の仏教寺院 ![]() マレーシア最古のモスクやヒンズー教寺院、ヒンズー教の影響を受けたモスクなど 宗教の多様性や歴史の重みを感じる建造物が多い。 移民した中国人男性とマレー人女性との結婚による子孫はブラナカン(パパニョニャ) と呼ばれ、独特な料理や文化を育んだ。 聖心学院 ![]() ![]() ■
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by sawa_keura
| 2015-05-02 15:46
| 旅する
「泥川が合流する」という意味のクアラルンプールは19世紀半、
錫鉱山からの汚れた水の流れる川の合流地に開発され、 イギリス支配下で、スズやゴムの産出地として発展した。 現在は、1998年日本と韓国の建築会社によって建てられた 地上88階建て(452m)のペトロナス・ツインタワーや KLタワー(421m)を始め高層ビルが立ち並ぶ賑やかな都市だ。 ![]() ![]() 繁華街ブキッ・ビンタンとKLCCをむすぶ立体遊歩道 ![]() 王宮 国王は13州のうち9州にいるスルタンの持ち回り ![]() ![]() 国家記念碑広場 1941年12月8日 日本陸軍、マレー半島上陸作戦 42年1月 マレー半島全域占領敵性華僑掃蕩作戦 日本の統治下 45年 8月 終戦後イギリス統治にもどる 57年 マラヤ連邦がイギリスから独立 ![]() ![]() 独立記念広場 イギリス時代のクリケット場とクラブハウス ![]() ![]() 旅行前に第二次世界大戦中の日本陸軍のマレーシア半島における行為を読み、 マレーシア人が日本に対しどのような感情を持っているのだろうかと気になったが、 「ルックイースト」政策のお蔭からか好意的な態度にホッとした。 国立モスク 1956年建立 73mの光塔 持参のショールを頭に巻いて見物、無い人にはフードが貸し出される ![]() ![]() ![]() ![]() 現在は イスラム教徒65%、 仏教24%、 ヒンズー教8% だが、 世界的な傾向に従って イスラム教徒が増えている。 国教はイスラム教だが、多民族多宗教の国なので其々に因んだ日が祝日になっている。 クアラルンプールでのお勧め見どころは『イスラム美術館」 イスラム教の歴史、主要モスクの模型、資料、美術品など分かりやすく展示されている。 ![]() 政府行政関係はマレー人、経済商業関連は中国人、IT産業関連はインド人、 労働力は近隣国からの移民と今の所はうまく回っているようだが、 進行中の大規模な開発や経済発展による民族間格差がでてきたら どうなるのだろうかと気になった。 ![]() ![]() ■
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by sawa_keura
| 2015-04-22 17:17
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4月初め、サクラ冷えの東京から約7時間マレーシアの首都クアラルンプールに到着する。
![]() もわっとした南国の空気に出迎えられてホテルに向かう途中、 夕方から夜にかけて毎日のようにあるというすさまじい勢いのスコールを体験する。 ほどなく雨は上がり、片道3車線の道は車で埋まって渋滞。 道路わきに広がるアブラヤシの森の緑が美しい。 パーム油は、食用油や石鹸などの原料に使われる大事な資源だが、 石油、天然ガス、すず、ゴム、ココヤシ、カカオなど天然資源に恵まれている。 ![]() 竹のような幹が赤いベニヤシ ![]() マレー半島とボルネオ島の一部からなるマレーシアは国土が日本の90%、人口16% 年間の日中の平均気温は27℃~33℃ ガイドさんは「マレーシアでは毎日同じような気候だからお天気の話はしない」と言う。 ![]() そして鮮やかに咲く南国の花の名前を訪ねると 「花もいつも同じだから興味を持たない」とのことで、 マレー語では名前を知らないが、日本語では~と教えてくれる。 四季のある日本とは全く違う世界だ。 マレー系、中国系、インド系と先住民族からなる多民族国家のマレーシアは イスラム教が国教だが、仏教、ヒンズー教、キリスト教などの信者も多い。 クアラルンプール近郊にあるバツー洞窟は、ヒンズー教のマレーシア総本山、 270段余の急な階段が巨大な鍾乳洞内にある神々の像や神殿は導く。 ![]() ![]() ![]() クアラルンプール市内のスリ・マハ・マリアン寺院(1873年建立、1999年改修) 22mの塔やポーチには細かく神々の像が彫られている ![]() ![]() ![]() ヒンズー教の寺院は初めてだったので、極彩色の神々の像や設えに驚いた。 ■
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by sawa_keura
| 2015-04-18 16:26
| 旅する
3月14日はホワイトデー、男の子の孫たちから春らしい花のプレゼント
![]() 日本ではバレンタインデーのお返しデーとして浸透している行事だが、 これはどうも商業主義が作り上げた日本独特の行事のようだ。 春先に女性に花を贈るというとミモザが頭に浮かぶ。 イタリアでは3月8日を「ドンナ(女性)の日」と言って、ミモザが贈られる。 3月8日は、1995年国連によって定められた「国際女性デ―」。 ![]() 春の早いイタリアではミモザが黄色い花をつけ始める頃、 ミモザの花ことばは「友情」「真実の愛」「豊かな感受性」「エレガンス」だそうだから 春を呼ぶ黄色と共に女性へのプレゼントに最適なのだろう。 というわけで、玄関脇には毎年この時期ミモザを飾って春の到来を喜ぶと共に 女性の社会的活躍を陰ながら応援することにしている。 世界的に見れば女性の首相、大臣、長官、会社社長、組織長は多くなったが、 日本ではほんの少人数。 若い人たちに飛躍して欲しいと思う。 ![]() ■
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by sawa_keura
| 2015-03-15 18:01
| 考える
日経新聞金曜日の「ニュースな科学」ページは
日頃 気になってはいても知らない世界やわからない事柄に 目を向ける機会を与えてくれる。 そこの「探訪サイエンス」で紹介されていた2つの展覧会に行ってみた。 国立科学博物館で去年秋から2月末まで開催されていた「ヒカリ展」 「宇宙と光」 「地球と光」 「人と光」をキーワードに光の魅力や不思議をを紹介している。 ![]() 太陽と地球磁気圏の関係やオーロラの立体構造の説明はピンと来なくても、 3Dメガネをかけて見るオーロラ(2013年アラスカで撮影)は迫力満点 宇宙から地球に降りそそぐ光が作り出す雄大な美しさに魅せられた。 ![]() ヒカリには目に見える光(可視光)だけではなく、 電波、赤外線、紫外線、X戦なども含まれる。 普通の明かりの下ではただの石が、紫外線の下では鮮やかな緑や赤に輝く。 ![]() 「構造色」という特別な仕組みで光る羽を持つ昆虫たちもいる。 ガリレオ、ニュートン、レントゲン、アインシュタインなど 光の研究に取り組んだ研究者たちの研究説明や初版本、スケッチも豊富に並ぶ。 ノーベル化学賞の下村氏が発見した蛍光たんぱく質の応用研究も盛んだ。 オワンクラゲやサンゴの蛍光タンパク質の遺伝子組み換えで誕生した光る蚕とその繭 ![]() その繭を使って作ったクリスマスツリー ![]() プランクトンの蛍光タンパク質を夏スミレに導入して造った「光る花」 ![]() 半分も理解できなかったが、光の不思議にちょっと触れることができた気がした。 折角だからと、子供向けに書かれた評判の入門書「アインシュタインと相対性理論」 を読んでみたが、途中からやっぱり分からなくなった。 ![]() NTTインターコミュニケーション・センター「オープン・スペース2014」では コンピューターやLEDやセンサーなどの技術を取り入れたメディア・アートを体験 ![]() ![]() ![]() これ又仕組みは全く分からなかったが、五感を使ってメディアアートを楽しんだ。 「指紋の池」では、センサーに自分の指を置くと指紋が ディスプレーの中で魚のように泳ぐ沢山の指紋の中に泳ぎ紛れるのだが、 再度センサーに指を置くと泳ぎ戻ってくる。 宇宙の中で飛び交い地球にも飛んできている放射線である宇宙線の 生成と消滅を光の点滅で表わしている作品。 21枚の細長い白い板でできた動く彫刻。 音が反響しない完全に密閉された無饗室の中で聞く音楽。 ![]() ![]() ![]() ■
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by sawa_keura
| 2015-03-08 17:46
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