本棚を整理していたら、朝吹登水子の「私の巴里・パリジェンヌ」が出てきた。
きっと母の所からまわってきた物だろう。 古き良き時代のフランスを思わせる表紙に誘われてページを開く。 第二次世界大戦前にパリ近郊の全寮制女学校で教育を受け、 戦後は娘を育てながら通算30年をパリで過ごした著者が1970年代にまとめたものだ。 1章「歓び」では、著者の人間形成に大きな影響を与えた フランスの習慣、風景、パリの日常生活、思い出などが語られ 当時のフランスを作り上げていた美、音、色、味、香りが漂ってくる。 人生を楽しむ歓びが感じられる。 2章「女たち」はパリに住む知的中産階級の女性たちについて。 シモーヌ・ド・ボーヴォワール、ジュリエット・グレコ、フランソワーズ・サガンを始め 自動車会社部長夫人、政治家夫人、外交官夫人、毛皮屋経営者、厚生大臣、 看護婦、写真家、ウーマンリブの運動家たちの日常や考え、夢が語られる。 1970年代と言えば、フランスにおいても未だ女性の社会的地位は低く、 職業人として働く女性は少なかった。 それでも、彼女たちは単に生活に流されるのではなく、個性的に生き、夢を持ち、 将来を見据え、自身を磨き、己の考えや意見を表明するのだった。 当時から40年が経った今、フランスのそして日本の女性たちはどう変わっただろうか? 激動する現代社会であるからこそ、それぞれの分野、役割の中で 自分の考えを持ち、しなやかに生きていく女でありたいものだ。
by sawa_keura
| 2013-08-08 22:40
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