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再びチューリップ
オランダに住んだ者にとって4、5月から6月にかけての
Lisse地方のチューリップ畑は遅い春を知らせる喜びであった。

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原産地がトルコ、アナトリア地方のチューリップは、
オスマン帝国のスレイマン大帝時代(1520~1566)に
モスクの装飾やスルタンの衣装の模様に多用され、
「チューリップ時代」と呼ばれるほどであった。

  (オランダタイル17世紀、 水彩画1600、 デルフトチューリップ用花瓶1680-1720)
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16世紀にトルコからオランダに伝わり、
1994年のHolland Heraldによると、その400年前1594年
Carolus Clusiusがライデン大学でチューリップ栽培に成功して
オランダの一大産業のもとを作ったとのことだ。

               (オランダタイル1640-1660、 水彩画1643)
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17世紀オランダでは、オスマン帝国から輸入された球根や
突然変異(ブレーキング)で生じた珍しい品種の球根に異常な高値がついて、
投機的資金が流入し、職人や農民をも巻き込んだチューリップ狂時代
(チューリップマニア、チューリップバブル)がおきる。

                   (チューリップ用花瓶1994)
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某Nicolaes a Wassenaerの記述によると
「Semper Augustus種」が一番人気で、1623年に1球f1,000であったのが
翌年にはf1,200 1625年にf3,000 1633年f5,500 1937年にはf10,000。
37年当時アムステルダムの運河沿いの高級邸宅がf10,000であったそうだ。
1637年、球根価格の暴落でバブルは終えんする。

            ヤン・ブリューゲル(子) チューリップ狂時代(1604)
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# by sawa_keura | 2011-04-04 15:53 | 観る
生命の力
大地震と大津波から2週間がたった。
長い2週間だった。
次々と起きる想定外の事件やそれにまつわるうわさ、風評。
混乱を極める報道や不安をあおるような解説。

雑多な情報を自分なりに判断し、冷静に、平常心を忘れずに
できるだけいつも通りの生活を続けることの大事さを学んだ日々であった。

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自然の力に対する人間の無力さを感じると共に、
人の優しさ、思いやり、団結力、雄々しさを感じた日々でもあった。

気分が落ち込み、心が萎えるこんな折でも、
バルコニーではすみれが咲き、ラベンダーやローズマリーが花をつけ、
つるバラの芽が膨らんできている。
                                 (イワヤツデ)
生命の力_a0104519_9364593.jpg

例年ならば桜の開花日が取りざたされる季節だ。
植物は春を迎えようと、生命の力をみなぎらせている。

時に人に牙をむく自然は、癒しと活力も与える。

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我が家では、一昨日より「サマータイム」を取り入れることにした。
日の出の早くなった朝1時間早起きして、夜1時間早く寝る。
暖房不使用の次にできる、小さな節電協力である。 
# by sawa_keura | 2011-03-28 09:40 | 考える
Peter Arnold のチューリップ
大惨事から一週間、全ての予定がキャンセルになったので
気になっていた書類や本、雑誌の整理をしていたら
オランダ在住中の1993年4月の"Holland Herald"が出てきた。

Peter Arnold のチューリップ_a0104519_21293256.jpg

チューリップをこんなに生き生きと撮れるのだと感心して取って置いたものだ。

前回チューリップについて書いたばかりで、丁度良いタイミングと
デジカメで雑誌の写真を撮ったので、ぜひご覧ください。

Peter Arnold のチューリップ_a0104519_21322913.jpg

"I photograghed each flower exactly as I would a beautiful woman.”
と写真家ピーター・アーノルドは語っている。

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当時英国のサリー州に住んでいたアーノルドは、
ファッション写真のテクニックを使って、70種類のチューリップを
オランダと英国を行き来して撮ったという。

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チューリップ1本1本に個性があり、今にも踊り出しそうな感じがする。
# by sawa_keura | 2011-03-21 21:52 | 観る
チューリップ
未曾有の大地震と大津波そして相次ぐ原発の事故、
ニュースやテレビ画像に気が滅入り心が萎える毎日だ。

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買い物ついでにオレンジ色のチューリップを買ってきた。
色とりどりのイースターエッグと共に飾ると
部屋が明るくなり、心も前向きになる。

今春はなぜかチューリップに惹かれている。
1月に球根付きの物を見つけて以来、色を変えて何度か飾っている。

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球根付きの物はグラスに入れて楽しんでから、
来春の開化を期待して鉢に植えてある。

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春を感じる黄色のチューリップも良いが、
オランダのまだ寒く何もない花壇で、早春に咲き始めた
花弁の先のとがった赤い小さな「赤ずきん」の可憐さが懐かしい。
花は大きいけれど、ちょっと似ているのを見つけたので我が家へ。

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チューリップは寒い北ヨーロッパの春に似合う。
暖かく日差しの明るいローマの春には場違いだった。
今年チューリップを求めるのは春が寒いからかもしれない。

品種改良が進んで、まるでカーネーションやバラのような花が増えたが、
やはりチューリップは一重の単純な物が好きだ。
不思議にも、オランダデルフトの花びんに良く合う。

会合や約束がキャンセルになったのを良い機会ととらえて、
気になっていた家の片づけや身辺整理に精を出すことにしよう。
# by sawa_keura | 2011-03-16 16:16 | 考える
雛まつり
春一番が吹き、4月の気温に心浮き立ったのは先週金曜日だったのに
昨日は冷たい風が吹く「ひな祭り」だった。
                                 
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真冬の寒さに我が家では、鯛はちらし寿司ではなく、鍋になってしまったが、
娘たちは、昨秋生まれた孫の初節句を賑やかに祝ったようだ。(keura notes)

時間に追われ、ちょっと面倒と思っても
行事や季節に応じて飾りかえをすると、気分が変わり生活にメリハリがつく。

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慌ただしく過ぎていく毎日だからこそ
季節の変化を心にとめ、古くから伝わる行事を大事にしてほしいと思う。

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これは、母から受け継いだ年代物の奈良一刀彫のひな人形。
最近の物には見られない奥ゆかしさと品が感じられる。

娘にそして孫へと引き継ぎたいと思う。
# by sawa_keura | 2011-03-04 23:05 | 考える



2007年9月末にこちらに引っ越してきました。
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