時節柄、「虫の音に耳を澄ます」と思われるだろうが、
私が耳を澄ましているのはお湯の沸く音。 夏の初め頃から、鉄瓶でお湯を沸かしている。 主人の実家の納戸の片隅に見つけた古い鉄瓶。 ずっと使われずにしまわれていたようだが、 きっと祖父母が存命中は火鉢の上で...と想像すると、 その光景が浮かんでくる気がする。 南部鉄器は 約400年前、盛岡に城を構えた南部藩主が 地域の資源(砂鉄、粘土、漆、木炭)を生かした産業として 保護育成したのが始まりとのことだ。 たまたま今夏の旅行中、鉄瓶の製作過程を見る機会があった。 鋳物土で作った鋳型に模様をつけ、1400℃の溶解鉄を注ぎ、 型抜きした後漆を焼きつけ、錆止めをする。 鉄瓶で60以上の行程があるそうだ。 鉄瓶に水を入れて火にかける。 お湯が沸くまでちょっと時間がかかるし、 沸騰してもピーピー音がしたり、止まったりしない。 耳を澄ましてみると、お湯が沸くに従って音が変わるのがわかる。 音が一段高くなって静まったら沸いた証拠。 洗濯機も、風呂も、家電も、ピーピー音を立てる昨今、 耳を澄まして家事をするのを忘れていたなと実感する毎日だ。 鉄瓶で湧かしたお湯は何となくまろやかで 同じお茶が美味しく感じられる。 (木曽保人さんのティーカップ)
by sawa_keura
| 2008-10-08 21:34
| 使う
|
→過去のブログを見る
ホームページ
LINK
カテゴリ
全体観る 食べる 作る、育てる 使う 考える お知らせ 旅する その他 以前の記事
2016年 07月2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 more... 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
LINK FREE
このブログの写真・テキストの無断使用はお断りします。
(c) 2007 sawa_keura. All rights reserved.
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||