チューリッヒ美術館で階段を上っていく時、強い力と鮮やかな色で圧倒されるのは
ホドラーの壁画「無限へのまなざし」 (1913~17) 七草の前日、今にも雨が降り出しそうな曇天の中久しぶりに上野へ足を伸ばした。 国立西洋美術館で10月から始まっていたホドラー展の会期終了が迫っている。 スイスのベルンに生まれたフェルッディナンド・ホドラー(1853-1918)は 生涯スイスにとどまって、身近な景色アルプスを描き続けた国民画家である。 もう一人のスイスの画家セガンティーニと共に、日本ではあまり知られていないし、 赴任当初、私自身も風景画に面白みを感じなかった。 だがスイスに住んで何年も経つと、不思議なことに彼らの風景画の中に スイス特有の空気、風、匂い、体にまとわりつくスイスらしさが感じられるようになった。 しかし、ホドラーで特筆すべきなのはその絵に見られるリズム感だろう。 感情Ⅲ (1905) オイリュトミー (1895) オイリュトミー(eurythmy)とは良きリズムと言う意味で、リトミック(eurhythmics)の考案者 スイスの音楽教育家エミール・ダルクローズ(1865~1950)と影響しあった。 リトミックは運動を通して音楽を学び経験する音楽学習方法論で 音楽を通じた身体と感情の動きの一体化を目指した。 身体の動きによって表わされる人間の感情、運動する身体が作り出す「リズム」、 自然の世界における秩序、類似する形態の反復の存在「パラレリズム」、 ホドラーを「死」から「生」へと目醒めさせたという。 小学校で、日本におけるリトミック教育の先覚者天野蝶先生に受けた授業、 ホドラーの絵画を見ていると、先生のタンバリンの音が聞こえて来て それに合わせて手足ばらばらに拍子を取る練習をした時間が懐かしく思い出された。 ホドラーの描く人物のリズムに惹かれていたのは、 小学生時代からの身体に刻み込まれたリトミックのリズムだったのだろうか?
by sawa_keura
| 2015-01-27 16:18
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