渋谷の松濤美術館では、9月9日まで「藤田嗣治と愛書都市パリ展」が開かれていた。
住宅街にあるこじんまりとした松濤美術館は、 興味深い企画展をするにもかかわらず、混みあうことがなく、 のんびり好きなだけ時間を過ごすことのできる美術館だ。 「エロスの楽しみ」 1927 「日本昔噺」 1923 「芭蕉とその弟子のハイカイ」 1936 ヨーロッパにおける挿絵本の歴史は古く、 芸術作品として高く評価され、愛書家たちの収集の対象であった。 画家たちは、本の内容に自分の解釈とイメージをふくらませて、 文章と一体化した挿絵本を生みだしていた。 藤田嗣治がパリに渡った1910年代は、 詩集や小説にシャガール、ピカソ、ボナールによる版画の挿絵をつけた 限定版の挿絵本の出版がブームになっていた。 パリ画壇で確固たる地位を築いた藤田は、挿絵本製作にも精力的に取り組み、 1920年代に30点以上を手がけた。 「アマルと王の手紙」1922 「インドシナ詩集」 1942 「イメージとのたたかい」 1941 「日本昔噺」 1923 「お菊さん」 1926 「八景」 1927 「葡萄酒・花・炎」1952 「パリの時代に」 1964 「四十雀」 1963 「しがない職業と少ない稼ぎ」 1960 女性を表わす優美な線、的確に対象をとらえる潔い線と形、 紙や物語の内容をくみ取り自在に雰囲気を描き出す巧みさ。 油彩には見られない画家の描く喜びが感じられた展覧会だった。
by sawa_keura
| 2012-09-13 16:40
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